今年の漢字が「安」に決まった。

 

今年の漢字が「安」に決まった。
これは日本漢字能力検定協会が、今年の世相を表す漢字を全国に公募して決められている。
―――なぜ、「安」の字だったのか。何か安かったのか。
ちなみに昨年は「税」で、消費税が8%に引き上げられた年でもあった。
税金がたっぷり入ってお国が安泰!の「安」だったらいいけれど、どうやらそうでもなさそうだし、今年の流行語大賞にもノミネートされた「安心してください、はいてますよ」の「安」であると、勝手に思うことにした。

なんせ今年は私自身、その言葉をよく使ったし、スマホの「あ」を押すと、最初に「安心」が出てくるのが何よりの証拠。
「安心してください~」と叫びながら「はいてますよ」の部分を、何度笑いのオチに言い換えて言い放ったことか。
2015年をゆるく振り返ると、
ダメとみせかけて安心させる「どんでん返し」は、いろんな場面でやって来た。

まずは、よくない方のどんでん返し。今年のダービー馬ドゥラメンテ。
皐月賞、ダービーと2冠を達成し、3冠はおろか、ついに凱旋門賞制覇か!なんて、競馬ファンが盛大にかかりぎみになるほどの競走馬が出現したものの、思わぬケガで戦線離脱。回復後の元気な姿を見ぬまま、今年を終えてしまうのがとても残念だった。

天皇賞・春のゴールドシップもそうだろう。
メジロマックイーンの血を受け継ぐこの馬こそ、このレースを勝たなければいけないはずなのに、なぜか毎度凡走。3回目の挑戦になる今年もどうなるのか紙一重の状態だったが、これぞゴルシ!というロングスパートをやってのけての優勝。感動もひとしおだったが、その後はまたよくない方の彼が出て昇天したままの私がいる。

菊花賞は、血統背景から距離が持たないと思われていたキタサンブラックが優勝。「安心してください、勝ちましたよ」と、オーナーのサブちゃんに初めてのG1をプレゼントして親孝行。そこで演歌の大御所サブちゃんは、競馬場でまつりを歌って愛馬を讃え、ファンと一緒に喜びを分かち合った。こういうことがあって、ふと思うが、G1に勝ったオーナーさんは特別な存在。もっと前に出てもいいような気がする。馬主さんの会社の業績があがるような仕掛けをしたって、誰も文句はいわないはず。「ネジをお求めなら、ぜひわが社のネジを!」みたいなスピーチして競馬場を湧かせてほしい。

そしてジャパンカップは、牝馬のショウナンパンドラが勝ち、チャンピオンズカップではサンビスタが史上初の牝馬優勝を成し遂げ、世界で一番気持ちのいい~どんでん返しをおみまいしてくれた。とてもさわやかで鮮やかな歴史的瞬間だった。

こうしてみると、一時の牝馬最強時代のような派手さはないものの、地味ながら牝馬が活躍した1年だったように思う。おんなは、安心・安全の上に胡坐をかいてこそ、能力を発揮する生き物。まさに「安」の字が大好物といえる。
引退を見送っていたサンビスタにおいては、もう一発、競馬をさせてみようかという話もあったようだが、結局引退を決めてファンを安心させた。

あとは有馬記念がどうなるのか。今年の漢字「安」のごとく、私は安心できるのか。なんの安心だろう。馬券か。

今年の有馬記念のサブタイトルは「ゴールドシップ引退レース」。ゴルシだけではなく、ここを走り終えた他の馬も、特に予告をせずにピリオドを打つこともある。昨年は引退を決めていたジェンティルドンナが勝ち、ジャスタウェイやトーセンラーも有馬を最後に引退していった。

私自身、1年を振り返って出てきた感じは「別」だったのかもしれない。
今年は多くの友人を失った。近所のママ友とは死別をし、死んではいないが大切な友人とも縁を切らねばいけないことがあった。
その中にはここでも「どんでん返し」が含まれており、何が気に入らないのか、嘘を吹聴されて困り果てたことも。

ま、過ぎ去ってみれば、失った友人たち以上に素晴らしい出会いがたくさんあって、なんだ、結局いい方向にすべては進んでいたのかと胸をなでおろす12月。
全国の馬ガールのみなさんは、この1年どんな年で、どんな漢字ひと文字だったでしょうか。

気の早いことだが、来年の競馬も今からわくわくするような馬たちがわんさかいて、ダービー候補はぜひこの馬!という大型新人も。
なんにせよ、馬もひとも健康が一番。ケガや病気をしないように心がけたいと思う。

2016年はいつの間にか申年。私の干支である。
思えば遠くに来たもんだ。
24歳の時に生んだ息子も申年。来年中に孫ができればサルサルサルで商売繁盛!非常に縁起がよいとされるけれど、どうやらそんな音沙汰もなく、すでに私の夢はもろくも崩れている。やはり夢は馬に見るのがイイナ。
来年も、競馬場で会いましょう。