ドゥラメンテが復帰する

 

2015年の2冠馬ドゥラメンテが、2月28日の中山記念から復帰する。
ドゥラメンテは、皐月賞と日本ダービーを圧倒的な強さで制し、その後の菊花賞、そして凱旋門賞行きまでを熱望されていた矢先に両前脚の骨折が判明。長い療養生活に入ってようやく今年、ファンの前に姿をあらわしてくれることになった。
ドゥラメンテ(サンデーレーシングの馬)を何口か持っている知人も、どんなにこの日を待ちわびていたことだろう。かわいい愛馬がケガをした時のことを思うと、その心痛はいかばかりだったか。
私も球児だった息子がケガをした時、まだ何も決まっちゃいない将来を悲観し、もうだめだと絶望して、何かほかに違う道はないかと勝手に捜索したりした。捜索していくうちに、ケガをした息子が腹立たしくなって、顔をみるのもいやになったことも正直ある。それでも半分腐りながら治療を続けて復帰し、4回裏までを投げ切った時は、もういい、もういいやめてくれと、私の方がいっぱいいっぱいになってしまった。
こういうちゃんとした大人になり切れてない母の元で育った息子が不憫でもあるが、今では何の心配もかけない男になり、時々は「元気?」と、声もかけてくれるので、子育てというものは、親の感情を無理に押し殺してやらない方がいいのかもしれないな、なんて思う。…話を競馬に戻そう。

投手が肩を壊して打者に転向することもあるけれど、競走馬の場合はそうはいかない。歴代の名馬たちがみごとにやってのけた、ブランクを感じさせない復帰戦の輝かしい勝利を、2冠馬ドゥラメンテにも大いに期待している。

期待といえば、そのドゥラメンテもびっくりするような3歳牡馬の世界は、紙幅が足りなくなるような有力若馬の大豊作で、出来すぎじゃないかと思うほど、勝利をあげたレースもきれいに散らばっている。
各地2歳ステークス組からはロードクエスト、エアスピネル、スマートオーディン、その他の重賞からはリオンディーズ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティなどなど、今年に限って1強や2強、或いは3強という言葉の枠組みに納まらない予感大。
2011年のオルフェーヴルから3冠馬は出ていないが、今年のクラシックも、冠をきれいにわけた結果になると、へなちょこ予想をここでひとつ書いておこう。
そしてそこに、牝馬のメジャーエンブレムあたりが加わったりしたら、いい意味で大変なことにもなるかもしれない。だいたい、皐月賞馬のイスラボニータより、よっぽど男らしい馬名じゃないか。

何でいきなりそんなことをいうのか。
冒頭で中山記念のことに触れた瞬間、昨年の覇者ヌーヴォレコルトを思い出してしまったからだ。彼女はロゴタイプやイスラボニータといった皐月賞馬を蹴散らして、中山記念を優勝した。
馬場を選ばず、どっしりとした力強い先行力があり、牡馬相手でも力負けをしないヌーヴォ。昨年の暮れの香港カップでエイシンヒカリとワンツーを決めた記憶も、鮮度がよいまま保存されている。

メジャーエンブレムの先行力と最後の切れ味は、ヌーヴォさんによく似ているし、彼女には、父ダイワメジャーと同じ皐月賞馬の資質が十分あると思えてならない。父娘制覇!なんて、今までみたこともないことが起きたらどうしよう。
強い3歳牡馬がどっさりいる中での勝利なら、なおさら価値も上がることだし、ぜひともメジャーエンブレムには、ちょっと変わった路線にチャレンジしてほしい。

2月11日。JRAは今年の新規騎手免許試験の合格者を発表。競馬学校騎手課程を卒業した藤田菜七子さんら6人が合格した。藤田さんは中央競馬において、実に16年ぶり7人目の女性騎手になる。来月デビューする見込みで、競馬ファンたちは期待をふくらませているが、私は心のどこかで――えらいことになったなぁと思いながら、カラ財布の空目…。

メジャーエンブレムの話ではないが、ヒトの世界は、男女混合で戦うスポーツはそれほど多くはない。バレーボールも水泳もスキーもサッカーも柔道も、たいていは男女別に競技されている。騎手の世界も男女の人数に格差がなければ、男女別のレースができるはずなんだけれど。そうもいってられないので、藤田さんには、女性特有のものを武器にして(変な想像はしないように)、例えば、馬あたりのよいやわらかな騎乗だとか、そういった切り口からじゃんじゃん活躍してもらいたい。
余談中の余談だが、私はこういう現象にからきし弱い。おそらく藤田さんの応援馬券をたびたび買うだろう。それがたとえ無印の馬であったとしてもだ。
―――これはまずいな、カラ財布決定か。
けれどそれが回収率度外視の上坂馬券の真骨頂!オッズを無視する私流だ。
ともかく、彼女には「かわいい顔してホントにえげつない!」と言われるくらい、男の中で大暴れしてほしい。
ナナちゃん、頑張ってー!